<政治・社会>少子化とペシミズム

 しばらく更新をやめてちょっと今後のことを考えようかと思っていたのだが、気になるニュースがあったので、とりあえずエントリを立ててみる。

 それは何かというと、「合計特殊出産率」(1人の女性が生涯に産む子供の数)が2005年度は1.25にまで落ち込んだ、というニュースである。何でも5年連続で過去最低を更新したのだという。

 で、『毎日新聞』の解説によれば、仮にこのまま1.25という数字を維持できたとしても、2015年度の出生数は2005年の106万人から70万人にまで落ち込むのだという。

 これは、教員として生業を立てている僕にとっては由々しき事態である。子供がいなければ、そのままマーケットの減少につながってしまうからだ。

 まあ、そういう個人的な事情は置いておくとしても、少子高齢化というのは、やっぱり良くない状況だと思う。高齢化社会も悪くないという声もあるようだが、老人が多い社会というのはどうにも居心地が悪そうだ。

 そもそも、「近頃の若い者は…」というのは、昔からある老人の繰り言である。が、最近は、そうした繰り言がマス・メディアに乗っかり、それを真に受けた良い子まで一緒になって「近頃の若い者は・・・」と言い出す始末(→事例)。

 そうこうしているうちに、道徳主義者が威張りだし、やたらと押し付けがましい説教が世に溢れ、抑圧的な条例だの法律などが気づけば出来上がっている・・・ということになりかねない。というわけで、やっぱり子供の数を少しでも増やす努力というのはするべきだと思う。

 とはいえ、子供を産まない理由というのは人によって様々だろうし、既ににいろいろなところで論じられている。ただ、そのなかでも意外と大きな要因になっていると思われるのが、「ペシミズム」の存在である。

 「子供を産まない要因」としてよく挙げられる理由としては金銭的な理由のほか、「将来が不安」だとか、「子育てに自信がない」などといったことがある。それでは、この「不安」や「自信がない」という感覚はどこから生まれるのだろうか。

 まず、不安ということで言えば、日本の将来に対する悲観があるのだろう。マスコミを見れば、財政赤字により国民一人当たりの借金が○○○万円だとかいう(意味のない)数字が踊っている。さらに、少子高齢化により、働き手が減少する一方で社会保障費が増大し、年金制度も大ピンチだと煽る煽る。

 また、もうちょっと身近なレベルでも、マスコミを見ればやれ少年犯罪だの、ニートだの、ひきこもりだの、フリーターだのといった若者の問題に関する報道が扇動的に行われている。

 とりわけ犯罪について言えば自分の子供が被害者になるばかりでなく、加害者になるという恐怖もある。自分の子供が重大犯罪を犯し、大きな注目を集める事態ともなれば、親もかなりの確率で失職し、引越しを余儀なくされることになる。しかも、精神面に異常をきたした自分の子供に殺される可能性だって否定できない・・・。

 フリーターだのニートだのになってしまえば、いま流行りの「格差社会」のなかで「下流」になってしまうかもしれないという不安もある。いつまでたっても子供の面倒を見続けねばならないという老後は、あまり愉快な将来像ではないだろう。

 こういうマス・メディアの報道に日々接していれば子供を持つことが「大きなリスク」であると思わざるをえないのではないだろうか。そりゃ、「不安」になったり、「自信がない」という状態になるわな。

 なんか、長くなってきたので、中途半端ではあるが、続きは次回。
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  by seutaro | 2006-06-02 12:35 | 政治・社会

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