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<学問>学問における「要領のよさ」

 最近、ブログ界隈で話題になったエントリが↓。

1ヶ月間だけ思い切りがんばれば。
http://d.hatena.ne.jp/guri_2/20080109/1199875970

 で、このエントリを受けて、批判という形で書かれたのが↓。

「地道な努力」よりも、はるかに人生を好転させる努力の仕方」
http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20080111/1200020891

 僕にとってインパクトがあるのは、やっぱり後者のエントリだろう。

むしろ、「近道を探す努力」こそが正しい努力であって、
「近道や一発逆転を狙わないで地道な努力を積み重ねる」という姿勢が、
自分と周囲を不幸にし、
格差と貧困を生み出し、日本を衰退させてきた。

 などという言葉を読むと、「むむむむむ」と思ってしまう。

 ただ、後者のエントリにも突っ込みどころはあって、ブックマークでは「努力の定義が違うのでは?元エントリでいう努力は物事に対する謙虚な態度のことで、この人の言っているのは努力という名の非効率な行為のことのように思われるが」などというコメントがあり、正論であるようにも思う。

 それはともかく、僕はビジネスの世界にはとんと疎く、「近道を探す努力」というのが重要だと言われると頷くことしかできない。

 けれども、僕に親しみのある(人文社会系の)研究という領域について言えば、「近道を探す努力」しかしない人は大成しない、と思う。

 これは僕のせま~い経験に基づく話なのであるが、ある研究会にちょっとだけお世話になっていたことがあった。その研究会にいる方々の多くは「要領のよさ」を誇っており、いかにトレンドを捉まえるかということに関心を寄せる傾向があった。

 しかし、実際に彼らの研究発表を聞いてみると、版で押したように全く面白くない。それがある種のトレンドに乗っかっていることは確かなのだろう。けれども、その研究にかける「情念」のようなものが全く感じられず、淡々と事務的に文章が綴られている。話を聞いていて欠伸をかみ殺すのに苦労させられることしきりであった。

 研究におけるこういう形での「要領のよさ」の追求は、研究をつまらなくするだけではない。とりわけ研究の道に入ったばかりの段階でそういうやり方に慣れてしまうと、研究者としての「伸びしろ」を増やす余地がなくなる。そのため、たとえば修士論文を書き上げた段階で次のステップが全く踏めなくなってしまうということになりがちだ。修士論文を書き、それをもとに論文を2、3本書いてから、ぱったりと論文の生産が止まるというケースは実際、少なくないように思う。

 結局のところ、研究者としての「伸びしろ」を増やすためには、一見すると回り道のように見えるところを行ったりきたりする必要があるのではないだろうか。もちろん、そこには膨大な無駄が含まれるだろうし、最後までものにならないものも数多くあるだろう。けれども、そういう「無駄」こそがいつの日にか、急にかけがえのない「資産」になる。

 だから、少なくとも研究の領域で「要領の良さ」を自慢する人を、僕はあんまり信用しないのだ。
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  by seutaro | 2008-01-15 00:07 | 学問

<日常>お正月

 なんだかあっという間に年が明けて2008年になってしまった。平成で言うとなんと20年。冗談なような気もするが、本当に昭和は遠くなってしまった。

 さて、この年末年始は、年末に友人一家と温泉旅行に出かけ、年始は実家に行くという結構ハードなスケジュールであった。昔は4人だった旅行がいまは6人。子連れの旅行はどうしてもフットワークが重くなるが、それでも楽しい旅行であった。

 元旦をだらだらと過ごしたあと、新幹線に乗り関西へ。神戸や京都をまわり、最終的に実家に落ち着いた。神戸では動物園に、京都に行く途中には遊園地に寄り、うちの娘に大サービスをする。遊園地ではキリンやカバ、おなかに赤ちゃんを抱えたカンガルーが楽しく、遊園地では娘が一人で乗り物に乗り込んでいく姿を見て、その成長に涙する。

 実家に戻って一番驚いたのは、実家の飼犬が急激に弱っていたことだ。夏に見たときにはそれほどでもなかったのだが、白内障になり、視力がほとんどなくなっているようだ。

 うちの娘はこの犬が大好きなので、近寄っていくのだが、その物音が怖いらしく、犬のほうが遠ざかっていく。娘がいくら「こっちおいで」といっても、全然寄っていかない。

 この犬が実家に来たのは僕が高校生のときなので、今年でもう18歳になるはずだ。僕は大学に入学するために上京して以来、ずっとこっちなので、この犬との付き合いは通算するとそれほど長くないのだが、やはり老いていく姿を見るのは寂しいものである。

 というわけで昨日、実家を出て、我が家に戻ってきた。なんだか遊びほうけていたようで少々気がひける。旅行先では家族が寝静まったあとに学生のレポートの採点なんぞをしたり、地味に読書をしたりしていたわけだが、今年はとにかく空いた時間をうまく使って研究をするようにしたいものである。
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  by seutaro | 2008-01-06 04:45 | 日常

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