人気ブログランキング | 話題のタグを見る

<メディア>小中高生の暴力行為は過去最多?

ひどい新聞記事を見つけてしまった。まず、以下の記事をお読みいただきたい。

暴力行為 過去最多の5万2756件 昨年度・小中高校生
全国の小中高校生による暴力行為の発生件数が07年度、過去最多の5万2756件(前年度比18.2%増)に上ったことが、「問題行動」に関する文部科学 省の調査で分かった。小中高すべてが過去最多で、特に小学校は前年度に比べ37.1%も増えた。いじめの認知件数は前年度より減少したが依然10万件を超え、携帯電話のインターネットサイトなどが関係した「ネットいじめ」など新しい形態も目立っている。
(出典)毎日新聞(2008年11月21日朝刊1面)

それでもって、その推移を表すグラフがこれ。
<メディア>小中高生の暴力行為は過去最多?_b0038577_9512415.jpg

ここで注目する必要があるのは、06年度に暴力行為の定義が拡大し、なおかつ、国立、私立校も対象に追加されたということだ。では、定義が拡大したとは、どういうことか。ネットでの記事にはなぜかその記述がなく、新聞紙面にのみ、それに関する記述がある。引用してみよう。

調査では「故意に有形力(目に見える力)を加える行為」と定義している。05年度年度までは「けんかとなりけがを負わせた」などと例示し、被害のレベルが一定以上のケースだけを集計していた。06年度からは「(被害者の)けがや被害届の有無などにかかわらず計上すること」として軽微な行為も集計対象に含め国私立校も対象に加えた。
(出典)毎日新聞(2008年11月21日朝刊1面)

こんな大幅な定義の変更を加えたら、前年度までの比較などほとんど意味をなさない。上述の記事を正確に言い換えると「06年度と比較して07年度は増加した」ということが言えるにすぎない。まあ、06年度から考えれば「過去最多」となるわけだが、それはあまりに詭弁だろう。

それにしても、ネット上で定義にまつわる重要な情報が掲載されないというのは、なにか理由があるんですか?>毎日新聞さん

  by seutaro | 2008-11-21 09:52 | メディア

<< <日常>家族のためのマンション選び2 <日常>家族のためのマンション選び1 >>

SEM SKIN - DESIGN by SEM EXE